CITY UP!で働き方改革! 効率よく働ける駅ナカのシェアオフィス「STATION BOOTH」が実証実験中! - CITY UP!

COLUMN

CITY UP!で働き方改革! 効率よく働ける駅ナカのシェアオフィス「STATION BOOTH」が実証実験中!

2019年1月25日

「CITY UP!」というスローガンのもと、
未来へ向けた新しいプロジェクトを始動させているJR東日本。

これまで手がけてきた駅周辺サービスに磨きをかけるだけでなく、
これからは「くらしづくり(まちづくり)」にも挑戦していくそうです。
「住んで良かった」「働いて良かった」と思われるような沿線づくりや、
地域の顔である駅を中心とするまちづくりを地域と連携しながら進めています。

このコラムでは、その数あるプロジェクトの中から
とくに注目してほしい施設や取り組みを「CITY UP!」編集部が独自の視点でピックアップ!
今回は、JR東日本が取り組むシェアオフィス事業「STATION WORK」の一環として、
駅ナカに設置するブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」の実証実験を取材しました。

JR東日本が実証実験として行っている「STATION BOOTH」をご存じですか? 「駅でちょっとだけパソコンを使った仕事ができたら便利なのに」という声に応えようと、2018年11月より期間限定で東京駅、品川駅、新宿駅に設置しているブース型シェアオフィスのこと。ビジネスマンや一般の方々から好評を得ているようです。

東京駅、新宿駅、品川駅にて実証実験を行っている「STATION BOOTH」。
各駅に法人会員用と個人会員用を2台ずつ、合計4台設置されている。

 

充実した機能と快適な環境で仕事もはかどる!
実証実験中の利用は無料。

 

好評を得ている大きな理由に、「STATION BOOTH」の使い方が簡単ということが挙げられているそうです。STATION WORK のwebサイト(https://www.stationwork.jp)から会員登録を行い、利用したい駅のブースと時間を選んで予約。ブースの入り口にあるモニターにタッチすると表示されるQRコードをスマートフォンで読み込むと扉が自動的に開錠。そして、中に入って使用するという流れです。実証実験中は無料で利用できます。
「CITY UP!」編集部も早速体験してみましたが、実証実験中とはいえ、ブースには充実した機能と快適な設備が装備されていることに驚かされました。無料Wi-Fiによってインターネットにスピーディにアクセスできることはもちろん、24インチモニターに利用者のパソコンを接続すればエクセルなどの細かな資料も大画面で操作でき、作業もはかどります。また、駅の構内は賑やかですが、防音壁を採用しているためブース内はとても静か。仕事にも集中して取り組めます。ガラス扉は曇りガラスを用いているのでプライベートも守られます。ソファタイプの椅子でゆったりとくつろぎながら仕事ができるうえ、実証実験期間は冬であるため足元にはヒーターも設置。至れり尽くせりの仕事場という印象でした。

扉の開錠はモニターに表示されるQRコードを読み込むだけ。
20分以上の空きがあれば事前予約なしでも利用可能。

ブース内には24インチモニターを設置。
ノートPCと合わせて2台のモニターを使えば、より快適に作業ができる。

 

目的は、駅の新しいサービスの展開と、「働き方改革」のサポート。

 

JR東日本がシェアオフィス事業「STATION WORK」を普及させようとする目的は大きく2つあります。1つは、駅の新しいサービスを展開することで、お客さまの利便性をより高めること。JR東日本事業創造本部の中島悠輝さんは、「すでに駅にある店舗やサービスを減らして設けるのではなく、未利用の空間を活用して新しいサービスを展開できるという点で、社内の賛同を得られたのだと思います」と話します。狭いスペースにも設置できるため、駅の新しいサービスとして一気に展開することもできそうです。また、ATMやトイレのように、駅に当たり前に備わっている施設になりそうな予感がすることも賛同を得られた理由だったかもしれません。Wi-Fiがつながる駅ナカのカフェで仕事をすればいいという考えもありますが、カフェも駅構内同様に賑やかだし、人の目が気になる仕事もあります。そんなときこそ、静かな個室で集中して仕事ができるブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」の出番なのです。
もう1つの目的は、「働き方改革」の一環として注目を集めているテレワークをサポートすること。「移動時間を効率よく使って仕事を進めることで、帰宅時間を早められます。駅はオフィスと取引先、あるいはオフィスと自宅の中継点となる場所です。中継点で仕事ができれば、少しだけ残した仕事のためにオフィスに戻らなくてもよくなります。それによって残業時間の短縮に役立ち、世の中の働き方改革を進めることにもつながるはず」と中島さんは言います。JR東日本事業創造本部の布瀬翔太郎さんも、「朝、自宅から取引先に直行するけど最寄駅で資料の確認だけをしておきたいというときや、出張先で新幹線の到着を待つ間などにブースを活用できれば、結果的に勤務時間を短縮することにつながると思います」と「STATION BOOTH」の利用価値の高さをアピールします。

「隙間時間を使って効率よく作業できる『STATION BOOTH』が、
残業時間の短縮につながる」と話す中島さん。

 

構想は2017年夏。「NEXT10」による追い風が吹き、メンバーも増員。

 

事業創造本部でオフィスビル業務を担当する中島さんと布瀬さんが、「STATION WORK」を雑談レベルで構想しはじめたのは2017年の夏頃のこと。「中島さんが『こんなブースがあるけどどう思う?』と画像を見せてきて。『駅に置いたらきっと便利だよね』と2人で盛り上がりました」と布瀬さんは当時を振り返ります。その後も2人はブースについて話し合いを重ね、事業企画として練り上げていくなかで、「山手線をはじめ、都内の駅という駅はほとんど見て回りました。『ここなら設置できそう』というスペースを写真に撮り、データベースに蓄積していきました」と中島さんは話します。折しも、これからの10年を見据えた中期経営計画となる「生活サービス事業成長ビジョン(NEXT10)」が2017年11月に発表され、「社として、部として、新しいことに挑戦していこうという機運が高まったことも、『STATION WORK』の追い風になったと感じています」と中島さん。「企画を通していくなかで、『で、いつやるんだ?』と潮目が変わった時期があり、応援してくださる方が増えていったことがうれしかったです」と布瀬さんも、企画が順調に進んだことが励みになったと話します。

構想段階からプロジェクトに携わっている布瀬さん。
本格稼働に向けて「STATION WORK」のサービス向上を目指している。

 

社内の期待値はますます上がり、想定していたスケジュールは前倒しされ、早期の実現が求められるようになった「STATION WORK」プロジェクト。2018年8月からは、新メンバーとなる宮元優太さんもジョインしました。「システム、法令、渉外など、各自の得意分野のようなものはありましたが、明確に役割分担をして進めたわけではなく、『それ必要? 忙しいだろうからこっちでやっておくよ』とアメーバ組織のように相互補完的に助け合いながら、1つの目標に向かって力を合わせて走っています。新しいものを世の中に生み出す使命感とともに、まさに小さな新会社を起業したような楽しさを実感しています」と力を込めて話します。

「チーム内でお互いに助け合いながら
『STATION WORK』プロジェクトは進行しています」と話す宮元さん。

 

「メンバー同士は席も離れているのですが、誰かが用事や相談があるときに動き出すと、それを察知してみんなが自然に集まるという感じで仲良く仕事をしています」と3人は笑顔。実証実験のスタート後には、株式会社JR東日本情報システムから出向している尾崎雅啓さんもメンバーに加わりました。
さらに、2018年12月には、約200人が所属する事業創造本部内で追加メンバーを募集。「NEXT10」にある、勤務時間の20%を本務以外の仕事に充ててもいい「20%チャレンジ」という部独自の制度を活用し、『STATION WORK』プロジェクトに参画する社員を募ったそうです。募集によって新たにメンバーが加わり、よりパワーアップしたチームでブースの本格稼働に向けてプロジェクトが進められています。

新たにメンバーに加わった尾崎さん(写真右から2人目)。
「ゼロベースでシステムを作り込もうとしているのを見聞きしていて、私もぜひ参画したいと思っていました。ゼロから作り上げていく仕事であり、とてもやりがいを感じています」。

 

STATION WORK」がどの駅でも当たり前になる世の中に!

 

実証実験は2019年2月20日まで行われていますが、その間にも部内・社内で「『STATION WORK』で何ができそうですか?」という話題になると、多様なアイデアが湧き出すそうです。「役員を交えた会議でも、『ひとりカラオケができそう』『化粧直しにも使える』など、いい意味で議論の本題から逸れたりもします」と中島さんは笑顔。「STATION WORK」がそれだけアイデアを詰め込みやすい、可能性にあふれたサービスだという証に違いありません。利用者アンケートでも、「オンライン英会話の授業が受けられれば」「テレビ会議に使いたい」など、単なるデスクワークの延長ではないさまざまな使い方ができるブースにしてほしいとの期待が多く寄せられています。それを受けて宮元さんが、「保険や金融、不動産などの個人情報を取り扱う重要事項の説明もできるかもしれませんね」と言うと、「静かな場所で大事な電話をかけたいという公衆電話ボックスのようなニーズもありそう」と布瀬さん。中島さんも、「将来的には遠隔治療にも使えるかも」と取材中もアイデアが噴出。想定しているニーズをはるかに超えた幅広い使い方ができそうな期待感に包まれていました。

防音壁を採用しているため、ブース内では周囲の音が気にならない。
また、会話が外部にもれることもなく、機密性の高いやりとりも可能。

 

そして、「もちろん、それ以前にクリアすべき課題も山積しています。実証実験中に寄せてくださった利用者のご意見を汲みながら、お客さまと一緒にJR東日本オリジナルのブースや仕組みを作り上げ、本格稼働を迎えたいです」とメンバーは気を引き締めます。「STATION WORK」の本格稼働を「2019年度上期中」と設定し、「その後は、2020年度末までに30拠点で展開し、さらには首都圏に限らず、地方の新幹線の駅なども含めて設置を広げたいと考えています」と展望を語りました。「STATION WORK」への期待が、JR東日本の社内を飛び越え、私たちみんなの期待となりつつある今、駅という空間をシェアする豊かな働き方や暮らし方をサポートする施設として広がっていこうとしています。

 

PROFILE

左:布瀬翔太郎
事業創造本部事業推進部門グループ支援グループオフィス事業担当。不動産事業会社、IT事業会社を経て、2014年、株式会社ジェイアール東日本ビルディングに入社、オフィスビル運営を担当。17年より東日本旅客鉄道株式会社に出向、事業創造本部でシェアオフィス事業「STATION WORK」の企画・立上げに参画。

中:中島悠輝
事業創造本部品川まちづくり部門くらしづくり推進グループ兼事業推進部門グループ支援グループオフィス事業担当。2010年、東日本旅客鉄道株式会社に入社。同年より株式会社ジェイアール東日本ビルディングでオフィスビル管理・営業を担当。12年より東京支社事業部にてオフィスビルAM/PM業務に従事。15年より事業創造本部。総額約60億円のオフィスビルBCPバリューアップなどを担当後、シェアオフィス事業「STATION WORK」の企画・立上げに参画。

右:宮元優太
事業創造本部事業推進部門事業戦略グループ。2003年、東日本旅客鉄道株式会社に入社。東日本キヨスク株式会社(現:株式会社JR東日本リテールネット)に出向、ニューデイズ業務・催事などを担当。06年より東京支社事業部で飲料事業再編業務などを担当。08年より事業創造本部、12年より人事部で人事業務を担当。18年8月より事業創造本部でシェアオフィス事業「STATION WORK」など、NEXT10の達成に向けた各種プロジェクト推進を担当。

DATA
STATION BOOTH
場所:JR東京駅、品川駅、新宿駅の構内
利用期間:2018年11月28日から2019年2月20日
利用時間:9:00〜21:00
利用料金:実証実験期間中は無料
https://www.jreast.co.jp/station-work