CITY UP!で感動体験! 新たな街の魅力を発見し、個性的で心豊かな都市生活空間をつくる山手線プロジェクトが進行中! - CITY UP!

COLUMN

CITY UP!で感動体験! 新たな街の魅力を発見し、個性的で心豊かな都市生活空間をつくる山手線プロジェクトが進行中!

2019年3月25日

「CITY UP!」というスローガンのもと、
未来へ向けた新しいプロジェクトを始動させているJR東日本。

これまで手がけてきた駅周辺サービスに磨きをかけるだけでなく、
これからは「くらしづくり(まちづくり)」にも挑戦していくそうです。
「住んで良かった」「働いて良かった」と思われるような沿線づくりや、
地域の顔である駅を中心とするまちづくりを地域と連携しながら進めています。

このコラムでは、その数あるプロジェクトの中から
とくに注目してほしい施設や取り組みを「CITY UP!」編集部が独自の視点でピックアップ!
今回は、「CITY UP!」プロジェクトの一環として進められている、山手線プロジェクトをご紹介。
フリーマガジンの発行、東京を再発見できる街歩き、交流拠点となる駅づくりなど、
さまざまな取り組みが進んでいます!

 

2030年の東京をもっと魅力的な街に! 山手線プロジェクト始動。

 

ぐるっと1周すると29駅。所要時間は1時間ちょっと。ご存じ、山手線は東京都心のエリアを環状につなぎ、通勤・通学、買い物、おでかけにと日常的に利用され、認知度も高く、なじみのある路線です。ところが、山手線ユーザーを対象としたWEB調査で山手線各駅周辺の街のイメージを調べたところ、29駅中約半数の15駅の回答トップが「駅周辺の街の具体的イメージがない」という結果だったそう。たしかに、山手線は便利で機能的ではあるものの、駅周辺の街の個性を語るとなると難しい駅もあります。そんな山手線を、多様な個性を持つ街と人とをもっと有機的につなげることで、感動体験ができる沿線に変えていくという取り組みをJR東日本がスタートさせました。名付けて、山手線プロジェクト。目指すは、個性的で心豊かな都市生活空間「東京感動線/TOKYO MOVING ROUND」の実現です。
「駅ごとに異なる表情を持つ街では、最先端のカルチャーから歴史、自然、食文化、人情まで、29駅・29通りのバリエーションが楽しめ、東京の醍醐味を感じ取ることができます。それらの街や人をつないでいくことで、東京の未来をともに描き、創っていこうという取り組みが山手線プロジェクトです。2030年に実現したい東京の街の姿を『東京感動線』というワードで表現し、そこに向かって山手線プロジェクトを進めています」と、JR東日本事業創造本部の馬見新香織(まみしんかおり)さんは話します。

「山手線ご利用者や地域の方と一緒に、29駅それぞれのエリアを
より魅力的な感動体験ができる街にしていきたい」と話す馬見新さん。

「東京の、ちょっとだけ未来の景色。」を伝えるフリーマガジンを発行。

 

東京感動線の実現に向けて、さまざまな取り組みが進められている山手線プロジェクト。アプローチのひとつに、馬見新さんがプロデュースするフリーマガジン「TOKYO MOVING ROUND」があります。2018年12月末に発行された0号では、山手線北側のエリア、大塚、巣鴨、駒込を特集。国内外から志ある若者が集まり、暮らす場所であり働く場所でもある、シェアハウスとシェアオフィスが融合された「RYOZAN PARK 巣鴨」、子ども向け英会話プリスクールも兼ねたシェアオフィス「RYOZAN PARK 大塚」を営んでいるご夫妻などへの取材を実施。“おばあちゃんの原宿”と呼ばれている巣鴨で、新しく育まれているグローバルなカルチャーを発信しました。
また、そのご夫妻に教えてもらった地元感満載の古き良き食堂や魅力ある商店街なども同時に紹介しています。「JR東日本という企業目線で街を紹介するのではなく、その地域に愛着を持って暮らしている人の視点を取り入れた“ともに創る”情報発信を心がけています。『巣鴨=おばあちゃん』という固定的なイメージにとらわれない、新たな街のおもしろさや奥深さを「東京の、ちょっとだけ未来の景色」として切り取ることで、読者や地域の人に共感してもらえる情報誌を制作できると考えています。心を動かす出会いやつながりを育んでいく、『TOKYO MOVING ROUND』をそんな一冊にしていきたいです」と、馬見新さんはフリーマガジンの意図を語ります。

2018年12月に発行された「TOKYO MOVING ROUND」0号。
年4回の発行予定で、Web版も順次公開されていく。

 

年代や性別、職業などで読者ターゲットを設定するのではなく、世代や属性の括りを超えて、心豊かな暮らしを求め、ちょっとだけ未来のライフスタイルを実践する人や、そんなライフスタイルに関心が高い人たちへ届けようとしています。それらの方々に共感して頂くために、以下の6つの価値観を大切にしています。
/従来型の欧米&グルメ志向ではなく、産直・健康志向・こだわりの食材への関心が高い。
暮らし/テクノロジーを使った便利な暮らしだけでなく、季節・自然・伝統も感じたい。
自然/自然をより重視し、都会でも自然・緑との共生を求める。
街並み/近未来的な街並みよりも、歴史や時代を感じる街並みを支持する。
人とのつながり/「ちょい体験」でゆるくつながる、自由で寛容なつながりを求める。
文化/伝統文化・アートなど、古きよきものとモダンを共に支持し、心を豊かにするクリエイティブを大切にしたい。

これら6つの価値観はフリーマガジンに限ったものではなく、山手線プロジェクト全体で共通する考え方でもあります。「29駅・29通りのバリエーションがあるので、ご自身のお気に入りのエリアを再発見していただきたいです。それが東京のおもしろさであり、多様な個性の街をつないでいる山手線がその発見に役立つことができるのではと考えています」。

6つの価値観を軸に作られている「TOKYO MOVING ROUND」
創刊号は3月25日発行予定。

新たな魅力を発見する街歩きや、人と人が交流する駅施設の開設。

 

山手線プロジェクトのアプローチには、「街歩き」もあります。駅から街へ向かう人の流れを創出し、街を自在に探索するための仕組みづくりを立案しています。担当するのは、事業創造本部の道正俊明(どうしょうとしあき)さん。「異文化視点で山手線エリアの魅力や文化の種を発掘してもらう『TOKYO SEEDS PROJECT』というプロジェクトを2017年度から行っており、2018年度には世界5大陸・6つの国・地域のデザイナーを東京に招きました。東京で暮らす方々のなかには、日々、そこで暮らし、働いている一方で、生まれ育った土地は違う人が多く、また多忙な生活がゆえに自分が暮らす街の魅力に気が付かないこともあります。そこで、全くの異文化をもち、かつ着眼点が鋭い海外のデザイナーの視点で魅力を探し、一緒に街の魅力を再発見しようという企画です」と話します。その「TOKYO SEEDS PROJECT」をヒントに行っているのが「街歩き」の企画です。「例えば、日本中の森を歩いた三浦豊さんと代々木公園や明治神宮を歩き、大都会の真ん中でこんなに豊かな自然・緑があることを感じてもらったり、縁側愛好家の成瀬夏実さんをホストに迎え、日暮里や谷中に残る古民家を巡り、高層ビルのイメージがある東京にも歴史がしっかりと残っていることを感じてもらう企画などを実施しています。これらは、個人間の地域の暮らし体験をつなぐマッチングプラットフォーム『TABICA』とのコラボレーション企画として実施していますが、プロジェクトで大切にしている『ひとや街の個性を引き出すこと』や『6つの価値観』をリアルな体験として感じてもらうことを意識しています。今、9つのコースを設けていますが、どんどん増やし、フリーマガジンとも連携した企画になればと進めています。街歩きのホストさんやコースのリサーチに忙しくて、最近は社内より街なかにいる時間のほうが長いかもしれません」と道正さんは笑みを浮かべます。

「TABICA」と一緒に街歩き体験の企画を担当している道正さん。
東京の魅力を再発見できるような体験型のプランを立案している。

 

また、事業創造本部の服部暁文(はっとりあきのり)さんは、街の個性が育まれるような駅づくりに取り組んでいます。「2020年の夏に、新大久保駅にフードラボを開設する予定です。駅に隣接するシェアダイニングと、食に携わる人が集うコワーキングスペースを設け、人と人とのつながりが生まれる交流拠点をつくります」。なぜ、新大久保駅に食を軸とした交流拠点を設けるのでしょう。「調査の結果、新大久保駅は国際性という評価で山手線全駅中1位でした」と服部さん。「新大久保駅はコリアンタウンというイメージが強いかもしれませんが、最近はハラルフードレストランやスパイスショップも増えてきています。多様な人種が集まる地域には、多様な食文化が生まれます。私たちの食事の選び方も多様になってきていますから、例えば『今夜は秋田県のこだわり食材をあのシェフがエスニックにアレンジした食事を食べに行こう』という選び方もフードラボで実践していきます。新大久保駅は山手線の駅としては小さいですが、「東京感動線」の時空間を感じるメディアとして、新しい食文化を発信し、新しいライフスタイルを提案していけたらと思います」。

フードラボの開設に取り組んでいる服部さん。さまざまな人が利用する
山手線各駅の社会的意義をより高める駅づくりを模索している。

東京感動線の実現に向けて。2030年の東京をより多彩な街へ!

 

馬見新さんは、小学生の頃から東京で育ち、暮らしてきましたが、山手線プロジェクトの仕事に携わるようになってからは、「東京を見る目が変わりました」と目を輝かせます。「テレビや雑誌で見た東京を東京だと思い、なんとなく知っているつもりでいました。しかし、それぞれの地域の方々とふれあい、地域目線で街を眺めてみると、まったく知らなかった暮らしや文化、歴史が息づいていることに気づかされ、東京の出来事が自分事になったような気がします。過ごし方の選択肢が増えることで心も豊かになりました。私が感じている心の変化、行動の変化を、多くの皆さんにも体験していただきたいです」と、自身の体験をフリーマガジンづくりに活かそうとしています。

リサーチや取材など、実際に現地へ足を運ぶことで気づいた
地域の新たな魅力を「TOKYO MOVING ROUND」で発信している。

 

「私も同感です」と、道正さんも自身の体験を話します。「2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催され、海外から多くの観光客が来られるでしょう。ただ、もし海外の友人や知人に東京を案内するとなったとき、自分は何か所、案内できるか……。おそらく、そう思うのは私だけではないはず。東京の深い魅力を海外の人、あるいは、地方の人に案内できる東京人を増やしたいと思い、『街歩き』のネタを日々、探しています。さらに、その10年後の2030年には、訪日外国人だけでなく、より多くの外国人の方が東京に暮らしているはずです。外国人の方も心豊かに暮らせる街になるよう、多様な魅力を発見したいです」。

服部さんは横浜市出身ですが、「実は私、山手線が大好きなんですよ」と笑顔で話します。「山手線周辺は大きく6エリア、細かく言うと12エリアほどに分けられると個人的に思っています。電車に乗り、街を歩いていると、『雰囲気が変わった』と感じる瞬間があるのです。ただ、そういう駅の個性やエリアの雰囲気は、人によって感じ方が異なります。例えば、JR東日本が秋葉原はクールジャパンの街と決めつけてしまったら、その街に住む人や働く人、遊びにくる人たちと、距離ができてしまうような気がします。ですから、街の価値は、その街に暮らし、働き、遊びに来ている人たちと一緒になって育てていきたいと、山手線プロジェクトに携わりながら感じています。自然発生的に、あるいは背景に深い歴史や文化を宿しながら、駅や地域の個性が新しいかたちで醸成されていくよう、2030年に向けて進めていきたいです」。

フリーマガジン、街歩きイベント、駅づくり、それぞれ担当は違うが、目指すものは同じ。
お互いにアイデアを出し合いながら山手線プロジェクトを動かしている。

 

ITやAIが進歩し、東京はますます便利で暮らしやすい街になっています。ただ一方で、人の情や自然の心地よさも今以上に求められていくに違いありません。東京という最先端を行く街で、そこに暮らす方々と一緒になって街の価値を上げていく。それが、山手線プロジェクトが目指す東京感動線です。これから、山手線を起点に東京の街がどのように変化し、個性的で心豊かな都市生活空間となっていくのか、山手線プロジェクトから目が離せません!

PROFILE

中:馬見新香織
事業創造本部事業推進部門山手線プロジェクト担当。2005年、東日本旅客鉄道株式会社に入社。同年よりジェイアール東日本商業開発株式会社に出向。12年から東京支社事業部で社有地・高架下空間の活用業務、駅ナカ開発やマーケティングなどを担当。17年から事業創造本部兼務。鉄道博物館「あさっての駅」(〜2019年2月4日で展示終了)の企画実施にも携わった。

左:道正俊明
事業創造本部事業推進部門山手線プロジェクト担当。2005年、東日本旅客鉄道株式会社に入社。同年に東日本キヨスク株式会社(現:株式会社JR東日本リテールネット)、10年に株式会社JR東日本ウォータービジネスに出向。15年から事業創造本部へ。17年より山手線プロジェクトに参画。

右:服部暁文
事業創造本部事業推進部門山手線プロジェクト担当。2008年、東日本旅客鉄道株式会社に入社。同年より株式会社JR東日本ステーションリテイリング(現:株式会社JR東日本リテールネット)に出向。09〜11年まで東京支社の新宿建築技術センター、事業部開発課で駅舎改修やプロパティマネジメントを担当。その後、スウェーデン王立工科大学・アアルト大学の大学院に留学し、事業創造本部へ。大規模・地域開発部門ターミナル開発グループ横浜駅西口開発プロジェクトを担当。

DATA
フリーマガジン「TOKYO MOVING ROUND」
設置場所→https://www.jreast.co.jp/tokyomovinground/list/
Web版→https://www.jreast.co.jp/tokyomovinground/

東京感動線×TABICA「山手線の暮らしを旅しよう」
https://tabica.jp/entry/feature/tokyomovinground/

新大久保駅フードラボ、「TOKYO SEEDS PROJECT」について
http://cityup.jp/pr/2018/10/384/